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2021.06.04

西野亮廣エンタメ研究所 無料公開記事 2019.05.21

切り取られて間違って伝わるので、コチラで。

表でコメントしちゃうと、切り取られて間違って伝わるので、コチラで。

栗城さんの訃報をニューヨークのホテルで聞いた。
深夜の2~3時だった。

以前(たしか6度目のエベレスト挑戦前に)「激励会があるんです!西野さん、来てください!」と御本人から連絡があって、有楽町の酒場に行った。

「登山の最大目標は生きて帰ることなので、ヤバくなったら、いとも簡単に引き返してきますww」と冗談を飛ばしていて、まわりにいた人達も誰一人として「登頂目指して頑張れ」とは言わなかった。

その一連のやりとりを見ていて、「栗城さん、死んじゃうんじゃないかな」と思って、帰り道、一人になった瞬間に有楽町のど真ん中でオイオイ泣いた。

登頂するまで挑戦を続けて、その都度、命を落とす可能性があるなんて、あまりにもリスクが高すぎるじゃないか。

「いっそのこと登山資金が集まらなかったらいいのに」と思った。
「栗城さんが、世の中から飽きられてしまえばいいのに」とも思った。
そうすれば命を落とすこともない。

だけど、その人生が栗城さんにとって幸せかというと、そうでもないことも分かる。

「安心安全、人と同じ」では生きられないから、登山家を選んだわけだ。
「たとえ死ぬリスクを背負っても…」
挑戦者は、そんな病を抱えている。

僕もそうだから、よく分かる。

今回の事故を受けて、「だから、言わんこっちゃない」と言う登山家が出てくるだろう。
中には、「支援した人にも責任がある」と言う人も出てくるだろう。
心ない批判もあるだろう。
もちろん、チーム栗城は、それらの声を甘んじて受けなければならない。

だけど、そんな単純な話ではない。

そこにあるのは、「挑戦する病を抱えた人間が、『安心安全、人と同じ』で生きる人生は、本当に生きているのか?」という、決して本人以外の人間には決着のつけられない問いだ。
僕らのような他人の道徳で易々と結論できるものじゃない。

栗城さんは、死んだように生きるのが嫌だったんだろうな。

んなことは2000%分かってるんだけど、でも、生きて帰ってきて欲しかったな。
何やってんだよ、バカヤロウ。

挑戦する姿勢を教わったし、
生きて帰らなきゃいけないことも教わった。
栗城さんには、最後の最後まで教わりっぱなし。

また、呑みながらバカ話をしたいな。
エッチをする時は、一本しかない指をどうやって使っているのかを聞きそびれた。

たくさんの感動をありがとうございました。
ゆっくり休んでください。

合掌。

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西野亮廣エンタメ研究所



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